妊娠中の鉄欠乏性貧血。胎児や出産への影響と対処法

ピンクのマタニティウエアを着た妊婦さん

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妊娠中は生理的に貧血になりやすい状態にあります。

なんと、妊婦さんの60%が「鉄欠乏性貧血」になるといわれています。

  • 貧血だと赤ちゃんへの影響はあるの?
  • 出産に悪い影響があるって聞いたんだけど…。

といった疑問や、貧血の対処法についてご説明します。

貧血とは?

血液は

  • 赤血球
  • 白血球
  • 血小板
  • 結晶

などの成分でてきています。

このうちの赤血球に含まれる「ヘモグロビン」が減少している状態が貧血です。

ヘモグロビンは酸素と結びついて体の細胞に酸素を運ぶ役割があるので、貧血が進むと低酸素状態になり、

  • 動悸
  • 息切れ
  • 疲れやすい

といった症状が出やすくなります。

貧血の原因

貧血の原因で一番多いのは、鉄分が不足して起こる「鉄欠乏性貧血」です。

妊娠すると、赤ちゃんと胎盤を成長させるために普段より多くの鉄分が必要となります。

また、妊娠中は血液の量が増えて血液が水っぽく薄まります。つまり、見かけ上貧血状態になりやすいだけで、赤ちゃんにまで影響するのはケースはあまりありません。

妊娠前は貧血じゃなかったのに、妊婦検診の血液検査で「貧血」と言われる妊婦さんが多いのは、こうした理由からなんですね。

ただし、

  • 妊娠前から貧血
  • 持病がある

という妊婦さんは、妊娠によって貧血が進みやすくなるので気を付けましょう。

ママが貧血の時の胎児への影響は?

ママが貧血でも、赤ちゃんには酸素や栄養が優先的に運ばれるので、

「赤ちゃんに何かあったらどうしよう?」

ということは、あまり心配しなくても大丈夫です。

ですが、貧血がひどくなると、

  • 妊婦さんが疲れやすくなる
  • 体力が低下して分娩が長引く
  • 出血量が多くなる

といった影響が出る可能性があります。

私は貧血?

妊婦検診では、血液検査にて貧血のチェックもしています。先生から何も言われなければ大丈夫でしょう。

貧血の対策は

血液中のヘモグロビン濃度が11.0g/dl未満になると貧血と診断されます。

ヘモグロビン濃度が低くて影響があると医師が判断した場合には、

  • 食事療法
  • 鉄剤の処方

が行われます。

貧血を防ぐ食事

普段から鉄分の少ない食品を食べていると、妊娠中は特に鉄分が不足してしまいます。

毎日の食生活を改善して、無理なく鉄分を補給しましょう。

鉄分を多く含む食品は、

  • しじみ、あさりなどの貝類
  • ほうれん草
  • レバー
  • 納豆

などがあります。

貧血予防のためには、鉄分を1日20mg取るのが理想。

でも、食品から摂取する場合の鉄分の吸収は「約10%」。
少ない(T_T)

普段の食事から十分な量の鉄分を摂取するのは結構大変ですね。

妊娠初期は葉酸を取ることを厚生労働省が推奨していますが、貧血気味の妊婦さんは、鉄分の摂取も心がけましょう。